タイムカプセルの中の私とキスマイ


タイムカプセルを開けたら、そこには15歳の私からの手紙が入っていた。正直良い思い出なんて一切ない中学時代の私からの手紙なんて、読むのも億劫だった。しかし読まないで捨てるのもモヤモヤするので仕方がなく読んでみようとやや薄目で読み始めた。どんな暗い手紙だろうと思っていたが、そこには「キスマイが大好き」「今が一番幸せ」と書いてあった。

そういえばそうだった。どこをみても真っ暗だった青春時代で死のうとする私を救ってくれたのは、友達でも家族でもなく、キスマイだった。

辛くても誰の前でも泣けなかった私に、泣きたいときに泣いたら良いと教えてくれたのもキスマイだった。

大きな都市に遊びに行ったのも、欲しいものを買うということを教えてくれたのもキスマイだった。

友達との会話の仕方を教えてくれたのもキスマイだった。

明日なんて見たくも生きたくもなかった私に、生きる希望を与えてくれたのもキスマイだった。

なんでこんなに大切なことを忘れていたんだろう。死ぬほど幸せな今の私をくれたのはキスマイだったのに。

15歳の自分の手紙の最後には「今でもキスマイが好きですか?好きだったら良いなと思います。」と書いてあった。もし15歳の私に手紙が届けられるなら教えてあげたい。今あなたが書いてくれた手紙をあなたが一番好きなキスマイのSmileを聴きながら読んでいるよと。